「あ、奏!」





「えっ?な、なつ、め……?」





ブンブンと手を振る棗の姿に、あたしはポカンとする。





いつもあたしが来るときはいないのに、なぜか今日はいた。





あ、そっか。





早く来るって約束してくれたんだった。





ちゃんと守ってくれたんだ……。





何か、すごい嬉しい。





「早かったね、なんか久しぶりかも」





こんな風に待ち合わせするなんて。





「これで、別れるのはナシな!約束守ったし!」





「え?でも、今回遅れなかっただけで、次もあるんだよ?次遅れたらほんと別れるからね?」