あの先生、嫌いなんだよな。
結構顔は美人さんなんだけど、ナルシストみたいで……。
自分のことを俺がまんざらでもないって思ってるって思ってる。
自惚れんなっていいたい。
「あ"ー!!!!むしゃくしゃする。」
俺はポケットから煙草を一本取り出すと、口にくわえて火をつける。
フーと息をはいて、天井にのぼる紫煙を眺める。
「彼女、ねぇ。」
すうっと目を細める。
煙草をぐしゃっと潰すと、灰皿に置く。
「一生できねぇかもな。」
これは、俺の本心だった。
もちろん、好きな人も出来ないと思う。
玲美が存在する限り。
でも、そんなことは外れることになる。



