「波奈!」
「あ、りっくん。」
大きな声を出して、控え室に入ってきた男子生徒。
それに手をふる波奈。
「初瀬川?あ、そういうことか。」
「はい。従兄弟です。」
彼は、初瀬川 燐（ﾊｾｶﾞﾜ ﾘﾝ）。
女みたいな名前だが、れっきとした男だ。
……まあ、女顔で美少年だが。
俺のクラスの生徒だ。
「佐々木!!僕の波奈に手ぇ出してないよね?!」
「てめぇのじゃねぇだろ。シスコンか。」
「波奈!大丈夫?襲われてない?」
おいこら。無視すんなし。
「こんなブス襲うわけないじゃん。心配性だなぁ、りっくんは。」
「そういうとこが余計心配なの!!」
……気持ちはよくわかる。
