「智也~!ゴメ~ン!」




「おっせーよ!」




私は最後の坂を
全速力で駆け上がった。




「待った?」




「未瑠が遅れてくんのは
いつものことだろ?
だから時間ずらした!」




「お~!さすがだね!」




「おめー、少しは反省しろよ!」




私の頭を軽くたたいた。




私といつも一緒に学校に
行っているのは
谷川智也<タニカワトモヤ>。




親同士が仲良かったので
赤ちゃんの時から一緒にいた。




智也は中学に入ってから背が伸びて
カッコ良くなった。そんな智也を女子が
放っておくわけがない。先輩にもモテていた。