「お前さ、今までの分泣いてたんだろ。」



「え?」




「ここへ来た時は怒りで他のこと

なんか目もくれてなかった。

けどガキが引っ越して持ち前の情を

出すのと同時に自分と重ね合わせて

やっと大阪への愛着を感じた。違う?」





心理学者かコイツは……!!





「え?

もしかしてあのガキに

なんか言われた?

俺がもう一度引っ張り戻して

地獄へ落としてやろうか?」



「ちゃうちゃうちゃう!!

さっきの言う通りや!」




「大阪に帰りたくなった?」




「……まぁ、その気持ちも

ないと言ったら嘘やけど、

今やと、東京も大阪もどっちも好きや」





「ま、なんと言おうと帰さねーがな。

それと、あんま

他の男の為に泣かないでくれる?」



「え?」



「なみちゃんは俺だけに

啼かされてればいーの。」



「漢字おかしい!!」



「よし、泣き止んだな。行くぞ。」



「ちょっ、」



「あ、ここ人多いし

はぐれたらいけねーから…」






こ、こここれは、



いわゆる手つないで歩くパター……!!?





「縛っといたよ」











「はずせぇえええええ!!!」