「けどっ…」
「いいの。葵は萌花にベタ惚れなんだから…。恋は盲目って言うでしょ?それと一緒よ」
「っ…。ありがとな、ミサ」
ん、と言いながら、小さい子供をあやすように俺の頭を撫でてくるミサ。
その手つきが とても優しくて…。
「あれぇ?お取り込み中だったかなぁ。ごめんねぇ」
!!!???…さ、桜!と時空!?
「お前ら 何でココにっ…」
「それは、ミサちゃんを追い掛けてきたからに 決まってるでしょ〜」
さも当然だと言ってくる桜にイラッとくるのは、しょうがないことだ。
「萌花は……、KINGと………楽しくやってる………」
そう…か。萌花も1歩進んだのか…。なんか、言い返す気にもならなくて、このことはストンと落ちてきた。
これが…納得できる方法なんだな…、そう思う。
「なんだぁ、葵くんにも そういう表情出来たんだぁ。嬉しいねぇ」
「…は?そういう表情って?」
「ん?気づいてないのぉ?葵くん、優しそうな愛しそうな…子を見守る親みたいな顔してるよ」
桜に言われて気付く… 。俺にもそんな顔できんのか…。
「へへっ。なんか胸がホカホカするな!!こんな感情…初めてだ!」
胸の奥がホカホカ暖けぇ。
「時空!!俺な、今 こーで、あーでうっひゃぁーって感情でな?すっげぇんだ!!」
「何、言ってんの……?……葵は……馬鹿」
楽しくて…、楽しくて…。
「アアン?テメェ、もう一度言ってみやがれ!!」
だから気付かなかった……。
「だから……ーーー」
「あらあら、年相応な顔しちゃって…」
そう言って、羨ましそうに微笑んでいるミサに気付かなかった…。
葵side _END_



