圭介… 俺はまだ菜央のことが好きだよ。 でも、少しずつだけど前に進めそうな気がする。 彼女の笑顔に救われそうな気がするんだ。 俺は席を立ちその場を去ろうとした。 「榛真!」 菜央の声に足が止まる。 また別れたあの日を思い出した。 あのとき、俺の名を呼ぶ菜央から告げられた最後の言葉。 淡い期待が一瞬にして崩れ去ったんだ。 “サヨナラ…” またその言葉を聞くことになるのか? 二度も愛しい人から別れを告げられるのか? そのとき振り返った俺の顔は少し寂しそうだったと思う。