「あぁ…アオイだろ?アオイサヤ…」 俺の目を捉えて離さなかったのは一枚の絵。 そしてその下に書かれている作品名と作者の名前。 【赤い旋律】 作者:蒼井 彩耶 蒼井彩耶… …蒼井…彩耶…… ……アオイ…サヤ… ………サヤ……サヤ…… 頭の中で繰り返しながら壁にかかる絵を見る。 「お~い。どうした~?」 圭介はまだ俺の肩に顎を乗せたままだ。 「あ…いや……この絵…」 「あぁ、すげぇよな。こういうのって抽象画っていうの?俺にはよくわかんねぇけどさ…すげぇってことだけは分かるよ」