「じゃあ俺そろそろ…」 その表情に今はまだそれ以上踏み込んではいけないような気がして、思い出したように歩き出そうとした。 「ハル!」 その声につい反応してしまう。 振り向くと手に絵の具を持った彼女が走ってきていた。 「もう行っちゃうの~?」 数メートル先で大声を張り上げてる。 俺は黙って頷いた。 「また来てね~」 そう言って彼女は右手を高々と上げ、左右に揺さぶった。 それにつられるように俺も顔の横で軽く手を振り返す。 そんな様子を先生は隣でただ静かに微笑んで見ていた。