「でもよ…何かすっきりしねぇていうか、許せねぇよな」 俺と同じように二人に目を向ける圭介の言いたいことは分かる。 「あのことも忘れてるなんてな…」 “あのこと” あいつがサヤを襲って傷付けたあの日の出来事。 あの日もサヤの記憶にはない。 20歳のサヤに戻る代わりに、10歳のサヤが負った傷は忘れてしまったんだ。 記憶の引き換え…入れ替えというのかな。 あいつがサヤに忘れられた痛みを俺は今、感じている。