「…いいから。もう描かなくていいから」 俺の目からもこぼれ落ちそうになる涙を我慢しながらギュッと唇を噛み締めた。 サヤ…もういい。 もう苦しまなくていいよ… 真っ黒いキャンバスは今のサヤ自身で… これ以上何色にも染まれない。 結局完成した青い空を見ることはできなかった。 それから俺はサヤの元へと通い続けた。 彼女が絵を描く姿を見ることはできなかったけど… ただ隣に居て「ハル…」と呼ぶ声に愛しさを感じていた。