「………!!」 だけど、数歩進んで俺は足を止めた。 ボーっとキャンバスを見つめるサヤの姿と、そのキャンバスを交互に見た。 感情が抜け切ったように虚ろな目で見るサヤの瞳の先にあるキャンバス。 そこにあったはずの青い空がなくなっていた… 代わりに真っ黒い絵の具が無造作に塗られていたんだ。 黒いキャンバスからほんの少しだけ青い空が覗いている。 「………」 透き通った青空も、ふんわりと浮かぶ雲も消えていた。 あの日最後に見たサヤが描く青い青い空はもう…ない。