「ありがとう」
そう言うと先生は俺に鍵を渡し、急いで駆けて行った。
「よかったな、会う理由ができて…」
圭介を見るとニヤッと笑ってる。
「別に…鍵渡すだけだし。渡したらすぐ行くから先に行っててくれよ」
「あぁわかった」
圭介と別れ芸術棟へと向かった。
そこは閑散としていて、雨が打ち付ける音が聞こえれば不気味にさえ感じる。
準備室は棟の中でも一番奥にあって、教師以外ほとんど入ることのない場所には人の声するしない。
サヤはこんなとこに一人でいるのか?
とにかく一度来た準備室までの道のりを思い出しながら歩いた。
昨日のサヤの姿を思い出す。
“サヤの愛はハルだよ”
“サヤだったらハルを描く”
思い出せば思い出すほど顔が火照っていくのを感じた。
あれは告白…だよな?


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