思い出した…。 俺はあのとき確かに聞いた。 ポロポロと涙を流すサヤの愛はどんなものなんだろうってただ単純に気になったから。 だけどサヤからその答えを聞くことはなかった。 “分からない。愛なんて分からないよ…” 俯いたままスケッチブックをギュッと握り締めていた。 「この絵、サヤにちょうだい」と言って。 俺の描いた絵は今、サヤの手元にある。 でも何で今、サヤがそんなことを思い出したのか分からなかった。 「サヤね、今なら答えられるよ!」 「えっ…?」