「あの~?」 キョトンとした顔が不思議そうな顔へと変わった。 「あ…俺は誠司。この大学に通ってるんだ。君の絵があまりにもすごかったからつい声かけてしまった…」 “君”なんて呼ぶのはもどかしい。 今すぐにでも“彩耶”と呼びたい思いをぐっと押し込んだ。 少しでも…何か少しでも思い出してくれたら… 「芸術科の人なの?」 「えっ?」 「先生が言ってたから。ここに来る人は芸術科の人ばかりで他の生徒は中々来ないよって」 「………」