「さっきおまえが言ったように俺は勝手で都合よすぎるかもしれない。だけど俺は絶対に彩耶の記憶を取り戻したいと思ってる。
彩耶を俺の元に取り戻したいんだ…」
「………」
俺は何も言葉を口にできずにいる。
隣でうつむくこいつの話を聞くことしかできなかったんだ。
俺が知るサヤの姿はあまりにも僅かなもので、口に出してはいけない気すらした…。
ザザー…ザザー…
と木々の葉を揺らす風の音がやけに大きく聞こえる。
「おまえが彩耶と楽しそうに話してるのを見たとき焦ったよ」
うつむいた顔をまだ上げない。
ザザー!と一際大きく木々が揺れた。


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