「現場に落ちていた携帯からすぐに彼に連絡がいったらしい…直前に話していたのは彼だからね。
私が連絡をもらったのはそれから数時間後だ…」
「それで…」
「病院に駆けつけたら彼も居てね。うな垂れてたよ」
先生は一つ一つ記憶を辿るように話した。
「目を覚ました後、彩耶!と言って駆け寄ると、彼を見た瞬間彼女はパニックを起こしてしまったらしい…
自分の記憶にない人物が突然目の前に現れたんだ。無理もない…」
「本当に全く覚えてないんですね…」
「あぁ…サヤちゃんに忘れられて、そのとき初めて彼女の大切さに気付いたんだよ。
だから彼はサヤちゃんの記憶を取り戻そうと必死なんだ…」
「そう…でしょうね…」
だけどそんなの勝手すぎる。
深く傷つけた後に気付いて取り戻そうとするなんて…
勝手だろ…。


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