空色canvas




「そしてその日も彼女は空を見ていた。

死にたいとかそういうんじゃなかったと思うんだ。

吸い込まれるように空を見上げて、信号が変わったことにすら気付かなかった…」


「………っ!」


「その後は想像できるだろ?意識を失って病院に運ばれた。でも怪我は腕と足の擦り傷だけで軽症だったんだ…」


「それで何で記憶をなくすんですか?」



興奮してるのを自分でも感じた。



「………」



今まで俺に向けていた体を先生は45度回して視線を逸らした。


なんで…

  なんで…


そればかりが頭の中を巡る。

記憶をなくす理由がどこにあるのか俺は必死に探した。