風邪をひくから…
と言って渡されたタオルを受け取り、ソファに腰掛けると目の前にコーヒーが置かれた。
「あ…どうも…」
ここはどうやら先生の部屋みたいだ。
準備室かな…
あらゆるところに絵の具やスケッチブック、芸術本が置かれ…俺が今座っているソファにも所々絵の具がついている。
初めてサヤに会ったときを思い出した…。
肩にタオルをかけコーヒーを口に運ぶ。
温かい…
「サヤちゃんに会いに来たんだろ?」
先生は年期の入った椅子に座っていて、ぐるりと体を向けると優しく微笑んだ。
「……はい」
「今日は雨だからね…」
そう言うとコーヒーを口にする。


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