王子様はいらない


「ねえ見た見た~??」

「うん、今日3年生に編入してきたっていう男子の先輩、めっちゃかっこいいよね~~」

「しかも、なんか日本でトップを争うお金持ちの家の御曹司らしいよ~どうしてそんな人がこんな時期にこんな学校に編入してきたんだろ~~?」

「もともと留学生だったって話だよねー」


…気まぐれで来た学校。
なんだかいつもより騒がしい。
どうやら、3年生に女ウケのいいのが入ってきたらしい。

「名前なんて言ってたけ~?」

「確か…崎矢湊先輩!!!」


ドクン……

え……?


「きゃー、湊先輩よ!!!」

「湊先輩~~!!」


うそ……でしょ……



遠くから現れた彼を前に唖然と立ち尽くす私。
すると彼が私の存在に気づく。

「よお千尋。俺、今日からこの学校の生徒だから。」


な…に…


「それから今日からお前の家にも住むことになったから。今頃、俺の荷物がお前の家に届いている頃だと思うぜ。」


昨日といい今日といい何が起きているのか状況についていけない。


これから私に何が起こるっていうの……??







つづく