(なんなのこの人、ありがた迷惑よっ)

「あの、私こういうのほんと迷惑で……、んっ」

言いかけて突然塞がれた唇。
そう……キス………

「静かにしねぇとまたその口塞ぐぞ。」

……。
なすすべなく抵抗を諦める。
(キス…なんて…、こんなあっさり…やっぱ、こいつもろくな奴じゃない…、っ)

これ以上抵抗すると何をされるのかわからないし男の力には勝てないので抵抗を諦める。
しばらく沈黙が続くと、男が口を開く。

「…お前、なんでそんな派手な格好であんなとこ一人で出歩いてんだ?」

「はっ、…あんたに関係ないでしょ……」

なんで初対面の人間にそんなこと言われなければならないわけ??

「…あんな引っ込み思案でそんな世界知りませんな顔してた女だったくせに。」

(………え?)


「だろ、千尋。」