「もー最悪ー」

一般庶民の通うごく普通の公立高校の教室でいつものようにクラスの女の子たちが耳障りなうざい会話で盛り上がっている。

「私あいつのために何万も貢いでたのに実は他の女と浮気しててそれがバレたらあたしと別れたいだのほんとありえない」

「それは災難だったよねー」

「口ではいっつもうまいこと言って見事に騙されたって感じ。もうほんとありえない。それにしてもいいなぁーもえは、彰先輩っていう顔もよし性格もよしその上お金持ちでいつももえのこと大切に心配してくれて、そんな彼氏私もほしい?」

「へへー、そーでしょ、だって彰は私の王子様だもーん。」


「…馬鹿みたい。」

「え…?瀬川さん…?」

「王子様、なんてさ。」

「なによ、彰くんはほんとに王子様みたいなんだから!!空想だとか馬鹿にしてるんならやめてよね!!」

「別に王子様が存在しない、と否定はしてないわよ?彼が今のあなたにとっては王子様だとしても、王子様がずっと王子様なわけじゃない、王子様だって人間の男なんだから、王子様なんて思ってあとで裏切られて傷つくのはあなただから忠告してあげてるのよ。」

「なっ…余計なお世話よ!!!」

「ちょっともえ、行こう…、瀬川さんに関わると疲れるだけだよ。」

「あなたみたいな冷めた人は王子様なんて到底無縁なんでしょうね」

勝ち誇ったような嫌味な表情をして去っていく。
私にとっては全然嫌味でもなんともないけどね、彼女が落ちた時、あの彼女の顔がどう崩れるのか楽しみで仕方がないんたももの。