あ、そうだ!と、何かを思い出したかのように佐伯さんは真顔に戻った
「ケーキ、冷蔵庫にあったの…」
そう言えば、昨日見た異様な組み合わせのケーキがあった
「あ、ありましたよ?持ってきましょうか?」
早く食べないと、だもんね
立ち上がった私は台所へ再び向かった
「いや………良ければ莉子ちゃん食べていいよ」
冷蔵庫を開こうとしたらそんな言葉が後ろから聞こえてきた
「いいんですか!?ありがとうございます」
冷蔵庫から取り出し、よく見てみると雑誌やTVでも取り上げられた有名なケーキ屋さんのものだった
「これ、美味しいって有名ですよね?
友達が言ってました」
食に厳しい朱里がこの前言ってた気がする
「そうなんだ、貰い物なんだけど…俺甘いの苦手でさ」
目玉焼きを頬張りながら苦笑い混じりで言う
「そうなんですか、なんか意外ですね」
ケーキの顔を開けて、中から美味しそうなイチゴタルトのケーキとチョコケーキにそこのお店で有名なモンブランが入っていた
「そう?」
佐伯さんはその箱の中をチラッと見たけど、青ざめた表情でまたご飯に目を移した
「甘いの好きそうなイメージでした」
「はは、よく言われるよ」
乾きぎみな笑い声の後に、
「ご馳走さまでした、美味かった」
スッと立ち上がりキッチンに向かって水洗場から食器を置いた音が響いていた
