二人でリビングに入る
こんなにも若者向けな雑誌や洋服をお父さんのだと勘違いしてた私って…
思い込みって恐ろしいわ
「あー、ワイシャツアイロンしてくれたよね!?ごめんな溜まってたろ?」
いつもクリーニングに出すんだけど…
と付け加えて佐伯さんは苦笑いを浮かべながら首の後ろをポリポリと掻いた
その仕草が少し可愛くて笑えてしまった
「昨日は勝手に借りちゃいましたが…キッチンお借りしますね」
朝食を作ろうとキッチンをお借りして簡単にフレンチトーストを作っている間にも気さくに話しかけてくれた
まず、家事全般は不得意
それはまぁ…辺りを見てると分からんこともない
仕事はファッション関係の広報部勤務とのこと
図々しくも会社名を聞いたところ、大手のブランド会社だったことに開いた口が暫く閉じられなかった
広い世代で人気のブランド
私もよくそのブランドの服を買うし、何しろ値段が学生のお財布に優しいものも多い
しかも、デザインやシルエットが私の好みだし
このマンションは仕事場が近くて便利な所を探しているとたまたま空きが出たので即決断したらしい
空きっていうのがお父さんのことか…
昨日今日で知り合ったばっかりなのに和めるのは佐伯さんの話術なのかな?
焼き上がったフレンチトーストをお皿に移して完成
佐伯さんは美味しい美味しいと言って直ぐに完食
完食ほど嬉しいものはない
