そして、今度は藤宮には聞こえないように、俺に耳打ちした。 「乃亜に近づかないで、絶対に。何があっても。 でも、遠くから絶対に目を離さないで。」 意味わかんねー。 俺は黙ったまま走り出した。 「乃亜!」 「愛也!?」 乃亜は西館に続く渡り廊下に一人で立っていた。 乃亜に変わった様子はない。 よかった。