コートの上からでも、智哉の体温を感じた。
私たちだけの世界が優しい空気に満ち溢れた…
「ありがとう…
そろそろ、行くか…
…コートの上からじゃ、胸の感触はわからないもんだなぁ…」
私を見上げて、ニヤリ顏…
ん?
あぁーーーー!!
そーだった!!
あのとき、そー言ってた!!
同じことを繰り返しちゃったよ…
「ばかっっ」
おデコをペチっと叩くと、くるりと回って歩き出す!
「ごめん!
ジョーダンだって!」
慌てて並んできた。
無視して歩く…
知らない!!
「知里〜、ごめん!
許してよ!」
…ちょっと焦ってる?
よし、今だ!
「… 許してほしい…?」
ちょっと悲しげな声で、上目遣いで見上げる…
「うん…どーしたらいい?」
智哉の不安げな声…
よし、釣れた!!
「じゃ、アレ乗ろう!!」
私が指した先には…


