「冷たい手…
ごめん…」
「ううん…
智哉の気持ち聞けて嬉しかったから…」
「そっか…
荷物取ってくるから待ってて」
頭をポンポンすると、部室へ走って行った。
智哉と同じ気持ちなんて信じられない…
夢を見てるんじゃないのかなぁ…
明日になったら、ウソだったなんてないよね…
「知里、お待たせ。
はい!」
手渡してくれたのは、温かいココア。
わざわざ買ってきてくれたんだ…
嬉しくて、顔がにやけちゃうよ…
「冷たくしちゃったおわび」
「あ、ありがと…」
なんか智哉が別人みたいで、慣れない…
「オレ、好きな子のは優しくしたいんだよね。
でも、知里にはわかんないけど…」
なんで…?
やっぱり夢なんだ…
そーだよね…
私と智哉が付き合えるわけないよね…
ココア缶をギュッと握りしめる。
「また、勘違いしてる!」
勘違い…?
「素を女に見せたの初めてだし…。
素のまま付き合うの初めてだから…
知里にはいじわるしちゃうかも…
キライになる?」
潤んだ瞳でみないで!!
心臓がドクドクしてるよ…
「そんな顔するから、いじめたくなる」
私の頬をサラッと触った。
ボン!
夕日と私、どっちが赤い?!
やっぱり、この甘いのは慣れないよ…
王子様キャラ。
オレ様キャラ。
そして…
彼女への甘々キャラ。
どんな智哉も好きだよ!