〜智哉side〜




「智哉、話があるの…

ちょっといいかなぁ?」



昼休み、知里が突然現れた。




翔平が声を掛けてるのに無視だし。



話なら教室でもいいだろ?




「何、話って。

早くしないと授業に遅れるぞ?」




「あっ、あの…

その…」



「なんだよ?!

あっ、朝のこと怒ってんの?

悪かったって!」




下を向く知里を覗き込む。



顔赤いし、キョドってるし…



こーゆーときって告白されるパターンなんだけど、オレのこと嫌ってるからそれはないな…



友達、友達…



フツーに、フツーに…




「顔赤いし、寒いのか?

だったら、早く戻らないと…」



手をつかみ、歩き出す。




友達って、手をつなぐもんか?



そーゆーのもアリだよなっ!


自分で勝手に納得した。



校舎に入り、ズンズン進んで行く。





話があるって言ってたけど、何も言わないなぁ…



階段の踊り場まで来た。







突然、つないだ手がぐっと引っ張られる。





振り返ると、




知里はギュッと目をつむり





「智哉、好きなの…

結婚してください…」







はっ?!


好き?






はっ?!



結婚してください??