「で、誰と行くの?」
「友達だよ!」
「あら、残念!
彼氏って言葉を期待してたのに…」
しょんぼりする…
「彼氏だなんて…
私、可愛くないし…」
「あら、こんな可愛いのに、そんなこと思ってるの?!」
立ち上がらせると
「さぁさぁ、脱いで脱いで!」
時間もないし、2人しかいないから、躊躇なく脱いで、浴衣を着せてもらう。
「知里が可愛くなかったら、世の中、誰が可愛いんだろうね…」
ブツブツつぶやきながら、帯を結ぶ。
孫は、可愛いってホントなんだろうなぁ…
こんな私を可愛いって言ってくれて…
おばぁちゃん、いつか彼氏が出来たら知らせるからずっと元気でいてね…
「はい!
出来上がり!」
鏡の前に立つと…
「わぁ…
かわいい!」