ー―夢叶《ゆうと》、ほら、こっちだよ!


幼なじみの明るい緋姫《ひめ》はいつも俺の少し前にいて、

いつも嬉しそうに、楽しそうに笑っていた。

なのに...

いつからだろうか。

緋姫が俺の近くにいてくれなくなって、

いつも寂しそうに、悲しそうに笑うのは。


君の、その笑顔を見るたびに俺まで悲しくなってしまうんだ。

君の、昔の明るい笑顔はどうすれば取り戻せる?

俺に出来ることなら何でもするから...

ずっと傍にいるから...

だから...



ーー夢叶、



どうしたの?



「っ!?」


緋姫のたった一言を夢ん中で思い出しただけで

俺__夢叶は起きてしまった。