それでも僕等は恋を繰り返す



ぐっとタオルを押さえながら、必死に見えないようにするあたしは、カンナが何をしにきたのかふと考えた。


「あ、ご飯持ってこようか?今日あたしが作ったものじゃないけど」


カンナの家は、お母さんの帰りが遅く、ご飯も自分で用意しなければならない。

そのため幼い頃からずっとウチで食べていたが、中学に入ってからはそれが減っていた。

だがここ最近またウチに来ては食べて帰っていたので、それかと思ったのだ。


「あたし取ってくる」


だけど、それは違っていた。

―――いや、わかっていたのかもしれない。

わかっていて知らないふりをした。


「きゃ!!―――」


カンナがいつもと違う表情だったことに。

いつもより低い声に。あたしと目を合わさないことに。


「…カンナ…どしたの…」


ドアノブに手を掛ける前にその手を掴まれ、ぐっと引っ張られたあたしは、一気に床へと押し倒された。

その証拠に床が当たっているからか、背中がひんやり冷たい。視界に天井が見える。

―――カンナの冷たい目が…異様に怖い。