「だけど夕顔は違うだろ?小さい時から家のことやって、面倒見が良くて、誰にでも優しい」
「そんなことないよ…必要に迫られただけ」
「それでも、俺が知ってる母親や姉ちゃんとは違う。俺はそういう夕顔を好きになったんだ」
目を細めて優しい笑顔を向ける柊の前髪が風で揺れる。
―――本当に、かっこいいなあ。
「夕顔…返事聞かせてくれる?」
何を――迷っているんだろう…何を考えることがあるんだろう…
ずっと好きだった人じゃないか。その人が好きだと―――あたしなんかのことを好きだと言ってくれているんだ。
だけど―――この胸のモヤモヤはなんなんだろう…
ずっと好きだったと言いながら、今まで彼の隣には別の女の子がいたからだろうか…
あたしは―――目の前の柊を信じきれてない?
「本当にあたしでいいの?」
「?夕顔がいいんだよ。夕顔じゃなきゃダメなんだよ」
「…でも、可愛い子が現れたら、その子にいっちゃうんじゃないの?」
―――何言ってるんだろうあたしは。こんなのすっごいウザイ女だ…
