後ろから抱きついてきたのはカンナで、その声の低さに体が少し震える。
すっごいこれ…怒ってるんじゃ…
「んだよ、男連れかよ」
真っ青になった三人組がすぐさま指を離して撤退していったのは、多分カンナの鋭い目にびびったんだと思う。
「いったー!」
その後、コツンと頭を軽く小突かれたあたしがカンナを見ると、やっぱり怒っていて。
「チビのクセになにナンパなんかされてんだよ」
「え?あれナンパなの??」
「………」
「初めてされたー!」
少しだけ嬉しくなるあたしを見て、また小突くカンナにべーっと舌を出した。
いいじゃん、あたしだって初めてそういう扱いされたんだから。
「調子のんなよ、あんな奴らは誰にでも声かけてんだよ」
「…別にわかってるし」
「つかおまえ…海大丈夫なのか?」
「え?」
「…前溺れただろ?行きの車でも顔色悪そうだったし」
「え?だ、大丈夫。もう…平気」
カンナが心配してくれてるなんて予想外で、思わず吃ってしまったあたしは下を向く。
あの日のことを思い出してしまうのは、あたしだけじゃないのかもしれない。寧ろカンナの方が―――
