「それにあの日の怖い記憶じゃなくて、思い出すのが今日の楽しかった記憶になれば、嫌な思い出が笑って話せるようになるかなって」
―――柊…
かっこよくて、笑顔が素敵で、こんなにも優しい彼が本当にあたしなんかのことを好きなのかと疑ってしまう。
「柊ってたまに同い年なのかわからなくなるよね」
「え?なにそれ」
「子供のクセに大人みたいな悟った感じがあるでしょ?」
「はは!クセにって。俺は全然そういうんじゃないよ。ただ…」
「ん?」
「ただ、夕顔が好きなだけだよ」
胸の高鳴りを必死に抑えながら、ほてる顔をなんとか元に戻そうと手でパタパタ仰ぐ。
ほら、だからそういうところが同い年っぽくないんだってば。
「トイレ行ってくる」
いきなりああいうこと言ってくるんだもんなー。今までの彼女にも言ってたんだろうか…
そりゃモテるに決まっている。
―――言葉で伝えてほしい
この前椿に強制的に見させられた雑誌の恋愛特集に、そんなことが書いてたなーと思い出した。
