「海行こーとか誘うからてっきり毎年カンナと行ってんのかと思ってた」
「あーー。いや、俺らだけで行くとめんどくさいっていうか…特にカンナが嫌がるから」
笑う柊の横顔があまりにかっこよくて、ずっと見ていたいと思う。同時に何故か胸が苦しくなる。
「…ん?何で二人だとカンナが嫌がるの?」
「ほら、見てあれ」
指差す方を辿ると、カンナの後ろでひそひそと話す女の子が数名。だけど椿がカンナの所に行くと、女の子達が少しして立ち去っていく。
「ほら、椿いるとナンパよけになって助かるらしいよ」
「あーーー!」
確かにこの二人だけで海に行くと逆ナンも凄そう。
あれだけ綺麗な椿を見て勝ち目がないと思うのは普通だし、これなら周り気にせず遊べそうだなー。
カンナはこういうとき女の子に群がられるの嫌そうだし。あたし達を呼んだのは納得納得。
「海ってほら、あの日以来でしょ?」
「…そだね」
足がつって溺れかけて以来。
多分柊もカンナも気を使ってあたしを誘えなかったんだと思う。
「今日はさ、俺が夕顔とただ過ごしたかっただけだから、泳がなくても一緒に楽しもうよ」
