「よしっ!それなら行っていいぞ!今日も可愛いな」
満面の笑みを浮かべる兄に呆れながらも、別にどっちだってよかったあたしは、とりあえず柊とカンナが寝転んでいるパラソルの元に向かった。
「二人とも泳がないのー?」
二人して砂場に横になって何やってんだろうと思いながら、カンナの隣に腰を下ろすと目が合った。
「…何、おまえ泳ぎたいの?」
「いや、あたしは…今はいい。」
椿だけ海の中ではしゃいでいるのに、あたし達だけ砂場にいるとか、なんか違う気がして。
「柊、泳ごうぜ、椿がいるうちに」
「あーー、俺は後でいいや」
「…そうか」
立ち上がったカンナは気だるそうに椿の元まで行く。引き締まった背中を見て、男の子なんだなあと実感する。
色素の薄いカンナは、幼い頃はよく女の子と間違われてたのになー。無理もないか、あんな綺麗な顔立ちだし。
今では鋭い目つきに怖がる人も多いけど。
「海、ほんと久しぶりだ」
「俺らもだよ、何年ぶりかなー」
告白されたあの日から、こうして直接話すのは初めてで妙に緊張してしまう。
今までとは何かが確実に変わってきている気がして落ち着かない。
