少しだけ彼の声のトーンが低くなったのが直ぐにわかった。
体が強張る。はやく二人が戻ってきてくれないかなと思う。
「何で椿ちゃんに対して怒ったような態度出すの?椿ちゃんが今日のことどれだけ考えてたか知ってる?僕言ったよね?周りみなよって」
にこっと笑う彼の表情が言葉と一致してなくて余計に怖い。
―――もうちょっとちゃんと周りみなよ~自分のことばっかじゃなくてさ
あの日の言葉が脳内で繰り返し流れだす。違う、あたしは…別に…
「夕顔ちゃんって自己中なの?可愛い顔してるからって何でも許されるわけではないよ。夕顔ちゃん―――正直うざいよ」
ドクンと心臓の音が響く。リラくんが―――怖くてたまらない…
息が苦しい…酸素が足りない―――
荒れる息が彼にばれないように下を向くけど、そうすればするほど苦しくなって―――
「おまたせ~!イカ焼き食べる??」
椿の声を聞いた瞬間、二人きりじゃなくなった空間に一気に安堵したあたしは、戻ってきた彼女に思い切り抱きついた。
怖い、もうヤダ…この人…イラナイ…
