それでも僕等は恋を繰り返す



「できたよ」

持っていた小さい手鏡を見ると、最初の髪型より断然可愛くて。柊ってほんと何でも出来るなと感心する。

「姉貴に散々やらされたから、そういうの得意なんだ」

笑って答える柊は今日もすごくかっこよくて、思わず見とれてしまう。

「浴衣…すごい似合う。可愛い」

「え、あ、ありがとう」

優しく微笑みながら言う彼の言葉に恥ずかしくなったあたしはサッと下を向く。

やだ、絶対今顔赤い…

―――それってさ、デートじゃない?

あの日、椿に言われた一言で、ただ単に幼なじみとして誘われたと思っていたあたしは、今日までのことをただひたすらに考えて、一人緊張して――

あの柊があたしをデートに誘うわけない。だって柊だよ?何でもできて、頭もよくて、運動神経も抜群。その上顔も良くて、背も高くて、何より誰にでも優しい。

最近彼女をずっとつくってないところを見ると、今は何も考えずにただ友達と遊びたい時期なのかなとも思う。

だけど椿の言ったようにこれがもしデートなら、好きな人との最初で最後のチャンスかもしれない。

柊に楽しんでほしい。柊に喜んでほしい。そう思って今まで着たことのなかった浴衣を今日着ることにした。