家を出てから直ぐ、無理やり付いて来た兄をどうにかまこうと、必死に走ったり隠れたりしたのだが結局ダメで。
「俺も一緒に行くと言っているだろう、何年ぶりかな祭りなんて」
楽しそうに笑う結くんを見ると、ハッキリ断りづらくなってしまったあたしは、そのまま兄と待ち合わせ場所まで来てしまったのだが…やはりちゃんと断るべきだった。
「はあ、はあ、結くんいないよね!?」
「夕顔、」
兄から逃れるため、強引に入った人混みからなんとか抜け出したときには、もう屋台の最後の場所で。
「髪が乱れてる、ほら、こっちきて。」
息を乱すあたしとは対照的に、柊は全然平気だったみたいで、息が全く荒れていない。
背が高いってこういう時いいよなーと思いながら、言われた通り柊の元に行く。
「ちょっとアレンジするけどいい?」
「え、柊そんなことまで出来るの?」
柊の指が後ろを向いているあたしの髪に触れる。手ぐしで上手くまとめながら、結ってくれる彼の指があまりに心地よくて寝そうになる。
昔から人に髪を触られるのが好き。もっと触ってほしいと思ってしまう。
