それであたしは……


「逃げたの。」


「え?」


「洸ちゃんは何も悪くないの。
あたしが勝手に、洸ちゃんと付き合ってる事の寂しさに耐えられなくなって……逃げたの。」


そう。


洸ちゃんと別れて楽になりたかった。


洸ちゃんの側に居られない苦しさから逃れたかった。


もう昔みたいには戻れないんだと、核心したくなんてなかった。



「みーちゃん……。
逃げて、何か変わった?」


「……わからない。」


ママさんは、困ったという風に溜め息をついて、


「おばさん、洸太のお嫁さんはみーちゃんが良かったな。」


と言って笑った。