-----ちりんちりん……


「あんた、そんな所で寝転がってて暑くないの?」


縁側で寝転がり、揺れる風鈴を眺めながらアイスをかじっていると、ママが上から覗き込む。


「……暑くないよ。」


ママは、「あ。そう。」と言って隣の部屋であたしの浴衣を広げ出す。


「去年着たピンクもいいけど、この淡い黄色。買って正解だわぁ♪美晴によく似合いそう。」


「……そう?」


あたしは、空返事を返す。


「……あんた、昨日からどうしちゃったの?心ここにあらず。って感じ。あんなにお祭り楽しみにしてたのに。」


「……。」



あんなに楽しみだったお祭りが、今は全然楽しみじゃない。