教室に戻ると、心配した様子の千里が駆け寄ってくる。 今日の講習最後の時間を告げるチャイムが、教室に響く。 「……みー?大丈夫?」 千里が、あたしの顔を覗き込む。 「千里ぉ……ここがね、煩いの。」 「……うん。」 「何なのかなぁ?これ……ズキズキいうの。変だよあたし……。」 あたしは、胸の辺りを鷲掴む。 「……ううん。変なんかじゃないよ。」 千里はそう言って、あたしを抱き締めてくれる。 ふいに寂しさが込み上げてくる。 あたしは、千里に身を任せて泣き崩れた。