「洸ちゃん!起きてってば!!」





あたしは、いつまでも寝ている洸ちゃんの布団をひっぺがして耳元で叫ぶ。



「うっ……んあ~?」


「んあ~?じゃないの!夏期講習遅れちゃうよっ!!」


洸ちゃんは、枕を抱き締めたまま、寝ぼけ眼であたしを見る。


「何だ美晴(ミハル)か……。夏休みなのに何で起こしに来んだよ……。」


「だーかーら!夏期講習!!!洸ちゃん!受験生に夏休みなんてないんだよ!!」


へーへーと空返事をしながら、渋々ベッドから起き上がる洸ちゃん。


んーっと伸びをする。


「あれ?」


「あん?」


「洸ちゃん……また背伸びた?」


「そんな一日で伸びるかよ。
お前とは昨日も会っただろが。」



ん~?


そうかな?


ほら。


絶対大きくなったよ。



「何してんの?」


洸ちゃんは、不思議そうにあたしを見下ろす。