「お前と会えなくなったら、俺朝起きられないしな。」


少し頬を赤く染めながらそんな事を言う洸ちゃん。


「洸ちゃん……。」




あたしも洸ちゃんに会えなくなるのは嫌だよ。


今までそんな事、考えた事なかった。


小さな頃からいつも一緒に居た洸ちゃん。


ずっとずっと、一緒なんだって思ってた。



でも、洸ちゃんにもしも彼女さんが出来たら一緒に居られなくなるなっちゃうんだ。


いつか、そういう日が来るかもしれないんだ。



ううん!


でも、今は洸ちゃん彼女さん要らないって言うし!


今はまだ洸ちゃんと居られるんだよね!


いつかなんて、まだまだ先の話だし!


良かった!


うん!とりあえず、良かった!









この時あたしは、洸ちゃんとの関係が不変的なものではないという事を初めて知った。


でも、確かに抱いた大きな不安は、洸ちゃんの優しい言葉で掻き消されてしまった。




あたしは、浅はかだった。



この小さな安心に満足してしまったんだ。



きちんと向き合わなかった代償が、この後どんなものになるのかも知らずに……。