「うーんと、うーんと。あ!洸ちゃんのママさんにね、夏野菜沢山持ってきたの!!」


「は?」


「今年もおばあちゃんちから届いてね!ママが洸ちゃんに茄子沢山食べさせるっていっぱい段ボールに入れてたよ!」


「…………お前のかーちゃんは、俺に何か恨みでもあんのかね……。」


洸ちゃんは、遠い目をして迷惑そうに言う。



洸ちゃんは、ちっちゃい時から茄子が嫌いなんだって。


「こんな色の物は、食い物じゃない」って言いながら、いつもお皿の端に避けるか、あたしのお皿に放り込む。


美味しいのにね。


でも、あたしのママは、


「好き嫌いしてたら、背が伸びてもモヤシみたいになるよ!長モヤシだ長モヤシ!」


って洸ちゃんに無理矢理食べさせるの。


楽しそうな顔してね。