「相変わらず、あんた達ラブラブね。」


千里は、下駄箱から上履きを出しながら言う。


「だから違うって。洸ちゃんはそういうんじゃないよ。」


千里……これ、何百回言ったか分からないんだけど……。


「あっちはどうだか。」


ほら。


また、それだ。


「洸ちゃんも、あたしをそんな風には見てないよ。」


「キッパリですか。」


「キッパリですよ?」



そりゃそうでしょ。


洸ちゃんとあたしは、兄弟みたいなものだもん。


兄弟で恋愛はしないでしょ?


そういうこと!



「黒崎も大変だな。」


「え?何が?」


「いや。
早くしな!講習間に合わないよ!!」



千里の言ってる事は、何かよく分からないけど、とにかく教室に急がなきゃ!