ある日の昼休み

私は、いつもどうり教室でお昼御飯を
食べようとしていたら、


「あっ、杉田さん!」


吉沢先輩!?

何で、一年の教室に!


「一緒に御飯食べない。
宮原先輩も一緒だけど、どうかな」


私を吉沢先輩が誘ってくれた!

あっ、どうしよう、嬉しすぎる。


「はい、ご一緒したいです」

「良かった、ランチルーム行こう」





     ランチルームへ


「杉田さん、自分で作ってるの?」


吉沢先輩は、私のお弁当箱を覗いてきた。


「はい、高校生にあがったので、
母も父もお仕事忙しいみたいで」


「凄い、偉いんだね」


爽やかな笑顔で誉めてくれた。


「そ、そんなこと」


は、恥ずかしい。



そんな事を思っていると突然。


「俺がいる意味がねぇな。
帰るか」


「ちょっと宮原先輩」


二人でこそこそ話しているみたい。

どうしたんだろう。


「あっ、お茶買ってくるの忘れた。
ちょっと買ってきますね」


吉沢先輩が行ってしまった。


「ふぅ」


何か、緊張した。


「なぁ、吉沢のどこがいいんだ」


宮原先輩に突然、そんな事を言われて、


「にぁ、何を」


「今、噛んだ」


「噛んでません」


まもわず、変な声出た。


「実際、どうなの?」

「それは、好きですけど………、
吉沢先輩に言わないでくださいよ」


「分かってるよ、俺、口は固いから……、
あいつに愛っていうもの教えてやって
くれないかな」


「どういう事ですか」


愛を教える?


「吉沢とは、俺が小四の時からの、
付き合いでさ、結構複雑っていうか。

あんまり言うと吉沢がうるさいから、
止めておくけど、あいつに、

ちゃんと好きになってくれるやつは
いるって、教えてやって欲しい」


よく分からない。


「今、分からなくてもいいから、
あいつの話聞いて、引かないで欲しい」

「はい、分かりました」


その後、吉沢先輩が戻ってきて、
沢山、話をした。

楽しかったけれど、宮原先輩の言うことが
気になってしまった。


どういう事だろう。

聞きたくても聞けない。

この気持ちは、どうしたらいいんだろう。