「総長…!」






「「「「おかえりなさい!」」」」







「ただいま。相変わらず元気だねw」







私がドアを開けると、元気のいい挨拶が聞こえてきて安心した。







「やっぱ、居心地いいな…」







「当たり前です」







「そのために志貴が頑張ってたんだから。ね!星?」







「うん」







やっぱ、星は蘭華以外の人がいると口数が減る。







「みんな…ほんとにごめん。そして、本当にありがとう!」







「ねぇねぇ、恋羽ちゃん?華子ちゃん?の過去って話してくれる」







「うん…」







そして私は、虎翼に過去を話した。







中学生で蘭華の総長になったこと。







それと…京兄が私を庇って死んじゃったこと。







その出来事により蘭華から姿を消し、"恋羽"として2年間過ごしてきたことを…







「そうだったんだ。ごめんね。僕、気づいてあげられなかった」







「俺もごめん」







「すみません…」







「ごめん…そんなことも知らずに初対面に向かって過去聞き出そうとして」







「私は、もう大丈夫だから」







「じゃあ、はい!みんな出てー!」







「「「「はい?」」」」







羽夜の合図がわかったのは、夕貴と奏紀、そして蘭々。







響也もなにかわかってるっぽい?







「華子と響也はここに残って♪」







「じゃ、頑張ってねー♪」







…蘭々と夕貴はなぜにこうもルンルンなのか全然わかんない。







なのに、響也と2人きりになったら心臓が速くなった。







何なの…これ…?







前もあったな。







初めて会って、名前を呼ばれた時にドキッてしたこと…







それに、海行ったときは女の子たちが響也の方見てて、モヤモヤしたり…







響也に銃が向けられた時は何がなんでも守りたかった。







なんか、考えるたびに響也のことが好きみたいになってる。







…え、好き?響也が…?







あるわけない







でも、この気持ち、蘭々に恋の話を聞いたときと一緒のことばかり…







『恋はね、名前呼ばれるだけでドキッてしたり、嫉妬して心がモヤモヤしたりするんだよー!』







…当てはまってる。







「華子」







あ、まただ。







ドキって…







でも嬉しくて…







「俺は、お前が…華子が好きだ」







「なんで私に恋バナする…の………え?わ、私…!?」







「俺の彼女になってくれ」







えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!?!?







私が驚いていると視界が暗くなった。







それと同時に口に何かが触れた。







目の前には響也の無駄に整った顔。







……い、ま…キス…され、た…?







「もう一度言う。俺の彼女になってくれ」







その瞬間、私の目から涙がこぼれた。







「あ、れ?何で泣いてんだろ…」







「え、わっ、わ、わりぃ!」







「違う…嫌じゃない。私、響也のこと好きになってたんだ…」








「ほんとか…?」







多分、いや、きっとこれは恋なんだろう。







私が小さく頷くと抱きついてきた。







「わっ!」







「はぁぁ…よかったぁ…」







「え?」







「俺断られたら立ち直れない気がしたからさ…」







「ふふっ」






響也が可愛いと思ったのはここだけの秘密。







ーバンッ







「よっしゃー!」







「「は?」」







ドアを開けるのとともに羽夜が叫んだ。







「おい、聞いてたのかよ」







「もちろんっ!てか、華子ちゃん自分が恋してるって気づくの遅すぎーw」







「「おめでとー!」」







春優と夕貴が声をかけたあと、相変わらずの可愛さで抱きついてきた。







…が、あっけなく響也に離された。







「「「えーっ!!」」」







「あ"?華子は俺のだ!それに、華子までえーとか言ってんじゃねぇよ」







その言葉で私の顔は真っ赤になったのも、蘭々が悲鳴をあげたのは言うまでもない。