「あ、そーだ!あのね、虎翼の人たちには説得して入室禁止になってるよー。それとね、華子が偽名使ってることも蘭々から聞いたよ」







「そうなんだ。蘭々ありがとね。それと虎翼、もう許可しよ?」







「わかりました。では、呼んできます」







…ん?呼んできます?







「ねぇ、志貴?呼んできますってなんでここにいるの?」







「それはね、どーーーーーーーーーーーーしても華子に会いたくて毎日毎日会わせてほしいって頼みに来てるから」







星…どうしてもが長かったよ?







許可してよかったのにw







ーガラッ







ドアの方に目をやると虎翼がいた。







志貴がいつの間にか呼んでたらしい。







「恋羽っ!」







「響也…怪我、なかった?」







「あぁ、恋羽のおかげで。ごめんな。男のくせして女の恋羽に守られて…情けねぇな。それと、ありがとな」







「いいの。私自身の気持ちだったから」







今ならわかる。







京兄が私を庇ってくれたときの気持ちが…







「恋羽ちゃん、響也ね、恋羽ちゃんがいつ目覚めるか心配で夜もほとんど寝てなかったんだよw」







「ばっ…おい、やめろ!」







「そーそー!仮眠程度でしかとってなかったよねー」







羽夜と夕貴が響也をからかってる姿を見てついつい笑ってしまった。







「あ…」







「蘭々?どうしたの?」







「ふふっ。やっと笑った。私と2人きりのときしか心から笑えてなかったでしょ?それか、蘭華の話をしたとき。それもたまにしか」







「そういえば…」







京兄が死んじゃってから、"偽りの笑顔"をするようになって、ついにはそれが自然とできるようになってしまっていた。







でも、今笑った私は"自然とできるようになった偽りの笑顔"ではなく、"本当の笑顔"だった。







「いつ見てもやっぱり、恋羽は可愛いね!特に笑ったときなんて…まぁ、さっきも見たからいいやっ!」







京兄、私ね、笑えるようになったよ。







これは多分、ずっとそばにいてくれた蘭々と虎翼。







そして…







背中を押してくれた京兄のおかげだよ。







私は精一杯の気持ちを込めて言った。







「みんな、ありがとう」







きっと、笑えてただろう。






"本当の笑顔"で…







「「…///」」







「ん?響也と星、どうした?」







「「なんでもない…」」







まぁいっかー!







「「かーわいー!」」







その声と同時に両腕に何かが巻き付いてきた。







その何かは…







「春優!夕貴!離してー」







「「やだーっ!」」







ダブルで可愛いのきやがった…!







やだとか言われたら私このままでいいもーん!







「ねぇ、夕貴。どいて?」







可愛い顔して何気殺気の出てる春優。







「え?春優がどくんでしょ?」







春優と全く同じ顔してる夕貴。







「僕のだもん!」







「違うよ!僕のだもん!」







うきゃぁーーーーー!







可愛いーーーーーーーー!!







ギャーギャー言い合いしてると、雷が落ちた。







「おい、こいつはてめぇらのじゃねんだよ」







どうやら響也の地雷を踏んだようだ。







「「むぅーっ」」







「2人とも、これ以上恋羽にくっついてると響也が…」







「「はぁーい…」」







奏紀が遠慮気味に言うと2人はどうやらあきらめたようだ。







明らかにしょぼんとしてるから可愛すぎて倒れそう…







「そういえば、恋羽が撃たれたあと、蘭々言いましたよね?"華子"って…」







「あ…」







「それに、手術終わったあと担当してた先生が華園さんはって言ってたけど…」







「あちゃ…」







「蘭々、もういいよ。話すから。今まで隠してもらっててごめんね」





「ううん。大丈夫!」