ここは一体…







なんで私はここに?







そこは、真っ暗で何も見えないところだった。







私がキョロキョロしていると声が聞こえた。







「華子」







「え?」







この声って…!







「京兄っ!」







「華子、お前はこっちの世界に来ちゃダメだかんな?」







「え?何言ってるの?私、もう死んだんでしょ?」







「華子は死んでないよ。ここは、生死の境目なんだ」







生死の…境目







「そっか…」







「それから、華子さ、俺が庇って打たれたこと一生背負ってくからとか言ってたけど、俺は守りたくて守ったんだ。あれは俺の決めたことだったから…だから、お前はみんなと、仲間たちと笑いあって正々堂々と戦ってこい!」







「でも…!」







「俺の守った命無駄にする気?」







「…!」







そうだ…







この命は京兄が守ってくれた大切な命。







もしかしたら、私が響也を庇って打たれたのに死ななかったのは京兄の守ってくれた命だったからなのかもしれない。







「俺の分まで生きろよな」







「うん。ありがとう…!それと、最後に抱きついてもいい?」







「あぁ、おいで。華子」







「京兄ーっ!」







私が抱きついてる間、京兄はずっと頭を撫でていてくれた。







あぁ…







私、ちっちゃい頃から好きだったな。







京兄に頭なでてもらうの…







虎羽兄でも雪兄のも好きだったけど、それでもやっぱり京兄のなでなでは格別に心地よかった。







「華子、向こうに見える光にまっすぐ走っていくんだ。そしたら仲間が待ってる。未来が、華子を待ってるから」







「わかった。また、会えるよね?」







「ははっ、俺が死ぬ前に言ったろ?俺はいつでも華子の側で見守ってるって」







「そうだね!だから私の言葉も聞こえてたもんね。よし、いってきます」







「おう!いってらっしゃい」







そして、私はみんなの待ってる光へと突き進んだ。